ほんとはヒグラシの声が聞きたい




気をつけて聞いていると、朝6時前には鳴かない。
それが6時15分くらいになると、一斉に鳴き始めるクマゼミ。
お向かいさんの植木で大合唱。


まさかこんなに近くでセミの鳴き声を聞くとは思わなかった。
ドルビーなんとかかんとかサラウンド、みたいに聞こえる。
音質もよい。
だって生演奏。


私が子どもの頃は、アブラゼミが主流で、次いでミンミンゼミ。
大きくて羽根の透き通ったクマゼミは貴重。
ツクツクボウシは警戒心が強くすぐにさっと逃げてしまうため、滅多に捕まえられなかった。

という感じだったのに、今は、とにかくクマゼミ!
やたらとでかい声で鳴くクマゼミ!
アブラゼミなんて滅多にお目にかからなくなってしまった。


クマゼミの大合唱は朝の10時頃まで続く。
あとは気まぐれに鳴く。

お向かいさんもまさか自分ちの木にこんなにセミが集まってくるとは思わなかっただろうな。
ただし、お向かいさんはクーラーを使うので窓は閉め切っている。

こちとら、自然風をこよなく愛する者なので、窓全開。
セミの声がうるさくて、たまに会話もTVの音も聞き取れないこともあるんだよ、くそったれめっ!


まぁ、それでも地上に出てそんなに長くない命を咲かせているのだから目くじらを立てないように努力はする。





私が今、聞きたいのはヒグラシ。
私がヒグラシの声を聞いていたのは、キャンプに行ったときか、ワイルドキリエとして祖父母たちがいたほぼ無人島状態の島に滞在したときだ。

今まではっきりとものが見えていたのに、次第にうすぼんやりとしか見えなくなり、夜が迫ってきているのを知る。
そんな中、なんだか幻想的にカナカナと甲高く、どこか悲し気な声で鳴くヒグラシに、一日が終わってしまうちょっとした寂しさと、夜がやってくる恐怖とを感じていたことを懐かしみたいのだ。









コメント