だまし絵の巨匠 エッシャー  広島県立美術館





エッシャーと言えば、不思議な絵を緻密な書き込みとデザインで描く人、という認識でした。

市松模様を見ていたはずが、いつの間にか鳥になり魚になり蜂になり、そうこういているうちにまた市松模様を見ていることになる。

まるで狐につままれたような、不可思議なのに、その絵をたどっている間は全然ひっかかるところはなく見ている。


今回の展覧会はそんな絵をたくさん見るのだと思っていました。
それが違っていて、私はとても面白く感じました。




まず、彼の作品が木版画であることへの驚き。
全てではありませんが、あの細かい絵を、彫っていました。
色刷りする場合には、浮世絵のように色の数だけ版木がありました。
それが細かいこと!


木版への出会いだけではなく、スペインのアブラハム宮殿で見た美しいモザイクを見て、それを何日もかけて方眼紙に模写し、そこから「平面の正則分割」という表現へのめり込んでいく様子がよくわかる展示になっていました。



版画、とは基本「黒と白」です。
どこをどのくらいの線で黒と白にするのか。
そのデザインが、とにかくカッコよくて。
エッシャーは本の所蔵票のデザインもしています。
それがとても素敵。








最後の部屋には、有名な滝から流れる水をたどると、なぜか高さがなくなってしまう不思議な絵と、






はしごがどこにかかっているのかよくわからなくなそうな絵の、立体模型がありました。













種明かしはこんな感じ。

少しでも視点がずれればバレてしまいます。
すごく歪んでいたり、実際はくっついてなくて離れていたり。





エッシャーは数学者が描くのも難しい図形も、方眼紙にどんどん描いていき、数学者もうならせたそうです。
彼の頭の中はどうなっていたのでしょうか。

黒と白の、光と影の、上も下も左右もわからなくなる、トリックハウスの中をさまよったような感じの展覧会でした。










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