10年ぶりのたまご焼き



四角いたまご焼き器を取り出し、たまご焼きを焼いた。
くるくるとロールさせ、ミルフィーユのように層を重ね、焼いていく。

いつぐらいぶりだろう?
と記憶をたどるが思い出せない。
ひとり暮らしをしているときに買ったから、もしかしたら10年くらいぶりかもしれない。
と考えると、くらりとした。



たまご焼き器を買ったのは、
友達の結婚式の余興で、花婿に目隠しをし、花嫁とその女友達のたまご焼きを食べさせ、
最愛の花嫁のたまご焼きを当てさせる、というものだった。
そのうちの一人に選ばれたのだが、たまご焼き器を持っていなかったので、そのためだけに買った。


久しぶりのたまご焼き。
もしかしたら10年ぶり。
これまで通り、母の作る姿を見よう見まねでやってみた。
テフロン加工でワッフル地のような表面をしているので、くっつかず、美しいたまご焼きが焼けた。
私はそれをお弁当に詰めていった。


昼時になり、私はお弁当を開き、たまご焼きを食べた。

う…ん

ほんのり甘い、あのたまご焼きじゃないし、
かき混ぜたのに、塩が一か所に固まっていた。

これじゃ、恋人に食べさせられない。

私はがっかりした。


10年ぶりのたまご焼きはしょっぱかった。
まぁ、今は恋人がいないんだけどさ。


料理って、やらないとすっごく腕が落ちるものなのね。



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