「日記をつける」  荒川洋治




たまに強烈に読みたくなる本の中に「日記をつける」がある。
それも手元に置いておきたいのではなく、図書館のあの書架のあのあたりにある、とすでに覚えてしまった場所に行って手にするのがいい。

詩人の荒川洋治さんが「日記は書くものではなくつけるもの」と言い、古今東西の日記を紹介しながら、「人が日記をつけるというのはどういうことなのか」を詩人らしいことばへの鋭さと文学者としての視点もからめて語っていく。



小学生用の日記帳の冒頭に印刷されている文章、
イタリアの少年の働いているときにつけた日記、
絵日記、十年日記など日記の種類、
日記と天気、日付、気温、
文豪や作家の日記、
食べたものの記録、
妻あるいは愛人他との営みの記録など、
日記をこんなにいろんな角度から見たことがない。


日記とはとてもプライベートな記録で、他人に見せることを考えずにつけているが、
記録としてつけられているものもある。

あまりにプライベートなものだから、著名人の人となりが垣間見られたり、作品が生まれる過程の心の動きやできごとを知る重要な資料にもなる。


お正月から「日記を書こう!」と思っている人も多いと思う。
日記にしろ、日誌、ブログなど、ちょっと継続して記録しているものをまとめて読むと、なかなか面白い。

去年、他の人の記録がいっぱい詰まったノートブックをたくさん見る機会があった。
そして、それにまつわるその人の物語も(もちろんまつわらない物語もたくさん!)。

じっくり読むのはやっぱり遠慮してしまうけれど、それでも実物を目にすると迫力もあって、とても楽しい。

「毎日書こう!」
「しっかり書こう!」
と思ったら、息切れがするかもしれない。

それでも、バラバラにならないように1冊、ノートブックを決めてそこになんでもかんでも書きなぐっていき、少ししたから見返すとなにかあるかも。

飽きたら、他の人の日記をのぞいてみるのはいかが?

「日記をつける」の巻末には参考文献一覧がついていて、私もこれまで気になった数冊は実際に読んでみた。
すると、また自分も日記が書きたくなっちゃう。




■荒川洋治さんの「日記をつける」

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■私が実際に読んで面白かった日記

仕事ばんざい―ランベルト君の徒弟日記
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■今回、この本を読み直して読みたいと思った日記

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