春画展 永青文庫




春画展。
作品は素晴らしいものの内容の性質により、展示させてくれる会場がなかなか見つからなかった展覧会。

話題にもなりTwitterでも流れてきたので、少しは知っていたが、もう終了しているものだと思っていた。



東京に行くと、2人に勧められ、他の2人が自分も見たい、と言っていた。

内容的にもそうそう見る機会はない。
が、私が自由になる時間と永青文庫の休館日が重なり、どうにも動けなくなった。

残すは最終日。
この日は奥野大児さん(@odaiji)とお会いする約束をしていた。
奥野さんには特別なリクエストをしておらず、お任せにしていた。
おまけに上京前に「で、一都市としての東京ってどうなの?なんでもそろっているけど、東京オリジナルはどうなの?東京オリジナル、と言っててそれって江戸じゃん!」と軽く喧嘩を売っているようなブログを書いていたので、どうなることかと。
奥野さんは「せっかくなので『東京を見せる』感じでいきたい」と言ってくださっていた。


それなのに直前になって、
「奥野さん、私、春画展が見たいです」
とDMを送った。

申し訳ないのが一つ。
あとは、初対面の男性に「春画展に行こう」とお誘いするのもどうなんじゃ?!というのが一つ。
後ろめたさ二つを抱えていたが、奥野さんは旅人心をすくいあげてくれて、「限られた時間だから行きたいところへ行きましょう」と快諾してくださった。

ありがとう、奥野さん。



当日の朝、江戸川沿いを歩く。
芭蕉庵そばの胸突坂を上る。
このときは最終日なのですべての荷物を担いでいる。
なんじゃ、これ!

ぜーぜー言いながら坂を上り切り、永青文庫到着。
ほどなくして奥野さんが現れ、「おーい!」と手を振り、ご挨拶をして会場に入った。




※内容にネタばれがありますので、閲覧にご注意ください。作品の画像はありません。



中に入って驚いた。

平日の午前10時なのに、ごっちゃりと人、人。

永青文庫は、細川氏の大切な文書を保管する建物でこぢんまりした洋館である。
会場は狭い。

なのに、なんでこんなに人がいるの?!

思わず「アンタも好きネェ」と思いながら作品を見る。




内容はもちろん、男女のセックスシーンを描いている。

最初の「どうだい?」と誘いあうようなセクシーなワンシーンを描いたものから始まり、
だんだんと着物の裾をからげて、性器や接合部分をばっちり描いたものに至る。

有名な浮世絵師が名前を連ね、大名所蔵品となると絵の具も派手派手で美しく、描かれる着物の柄も素敵だし、乱れる着物のひだひだもなんだかエロく見えてくる。


というエロス満載のはずなのに、奥野さんと私ときたら、

「む!これはマンガのコマ割りに似てますね!」
「このシーンをこう横長に切り取る。ほぉ~」


「ぎゃー、奥野さん、タコですよ、タコ!触手です!」
「そうですね!」
(女性がタコの親子に襲われている図。女性も「いやよいやよ」と言いながら、嫌がっていない様子。男性向け作品?)


「えー!エイですよ!どうしてこうなった?!」
「さぁ…」
(なぜか男性がエイといたしている。エイに対して勃つんでしょうか?この疑問はさすがに奥野さんに面と向かっては投げられなかった)


「キツネです!」
「妖怪に騙されているのかなぁ」


「1、2、…6人か…」
「すごいッスねぇ…」
(1人の男性が6人の女性を相手にしている)


「全部、男女の絡みですねぇ。男色もあったはずなのに」
(多少、腐乱しています)


「おっぱいの露出が少ない」
「(ハッ!)」
この会話はよかった。
私1人なら気がつかなかったかも。
そうだ、男性の多くはおっぱい星人なんだ!
全裸でセックスしているシーンはあまり描かれていなかった。
ああ、男性と一緒にこの展覧会を見られてよかったなぁ、と思った。
やっぱり、いるよね、男性目線と女性目線。



下世話なことから、アニメやマンガ、歴史の知識を総動員して作品を見た。
奥野さんに引き出し、スゲェ!
どんどん話題が出てくるよ。

ブロガーとして有名な奥野さんだけど、一緒に美術館や博物館に行かれた方ってどれくらいいらっしゃるんだろう?
ご一緒した方はラッキーだよ。すんごく面白いもん。
私もラッキーだよ。



さっきも書いたけど、描かれているのはセックスシーン。
でも気分が悪くならなかったのは、それを素晴らしい技術とセンスでキレッキレに磨いて描いているからかなぁ。
チケットにもなった、鏡に映った爪先のあのなんとも言えないエロティックな様子を嫌味なく表しているの、ってほんと、素敵。
 


最後に別棟にあったグッズコーナーを覗く。

「ぎゃー、奥野さん、トートバッグですよ!」
「これってスーパーに買い物に行ったときに使うんだよね?」
「そうです」
(柄はもちろんまぐわっている図。ピーとかプーとかモザイクとかいろんな処理をほどこさないといけない絵がそのまんま大胆にプリント)


「あ、Tシャツ。(重要ポイントにポッケ。中を覗く奥野さん)ばっちり描かれてる」
「えーっ!」


「絵はがき買いたいなぁ。でも出す相手に困…あ、そうだ!」
(思いついたので2枚買う。もちろんお気に入りのタコ!もう1枚は控えめな爪先鏡映り)


「わー、図録スゲェ!」
(前後期と作品の入れ替えがあったためかやたらと分厚い)


「え?そのクリアファイル買うんですか?」
「そうだよ。打ち合わせに行ったときに出したらウケるでしょ」
「う、うん…」
(そ、そうじゃけど…ドン引きする女性とかいないかなぁ…みんな、オトナなんかなぁ…)


「ぎゃー!ベッドカバーじゃって!」
「ケタが違わない?」
(162万円してました。受注販売だったはず)




おかしいなぁ。
素敵なオトナ二人組のはずが、ずっとゲラゲラしてた。



まぁ、とにかく。
好きな人と気持ちよくなれるのが大切だよね。
ただのヨクボーのはけ口なのは、私はちっとも気持ちよくならないもの。
無表情のように見える浮世絵に描かれている人物も、やっぱり好きな人ととの遣り取りの表情は色っぽくて満たされてた。




◆奥野さんの「春画展」  

奥野さんの「春画展」の感想 Tumblrから









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